医療・健康
新たに科学的に証明されたスーパーフード5選

最新の5つの「スーパーフード」はどれほどスーパーなのか、性能をチェック

科学や技術が進歩するに連れ、心身の健康を大きく担っている食の改善も並行して改善されてきている。

世界は継続的に健康食ブームとなっており、一部のコミュニティでは一種のステータスにもなっている。

例えば以前取り上げた塩の代替になるアッケシソウもスーパーフードと言えるかもしれない。中でも注目を集めているのがスーパーフードと呼ばれるものだ。

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スーパーフードとは


スーパーフードとは一般的な食品に比べて栄養価が高く、栄養バランスに優れる、歩いは特定の健康成分が多く含まれていて、健康の保持増進に役立つとされる食品の事を指す「マーケティング用語」だ。

基本的には専門家、栄養士などによって一般的に使用されることは少なく、定義も曖昧な為、科学的証拠なしに市販されているものも少なくない。EUでは信頼できる科学的研究によって裏付けられた特定の認可なしに「スーパーフード」としての製品の製造、販売は禁止されている。

よって「新しいスーパーフード」とは新発見された食材などではなく、「スーパーフードであると科学的に証明された」もの、という事になる。

今日はそんな「スーパーフード」を慎重に扱う国の一つ、イギリス・ロンドンを拠点に活動する栄養士のマヤ・オークリー氏が新たなスーパーフードを5つ紹介してくれた。

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ホルモンバランスを整えるひよこ豆の粉


ライ麦、スペルト小麦、大麦などの小麦粉の代替粉を試したことがある方も多いだろうが、「ベサン粉(グラム粉は、ひよこ豆を挽いて作られた粉の事だ。

ベサン粉は、殆どの小麦粉よりもタンパク質が多く、繊維質は小麦粉の3倍、炭水化物は半分で、食後の血糖値の上昇が少ないという研究結果が出ている。

さらに、鉄分やビタミンB群、そして小麦粉にはほとんど含まれていないマグネシウム、銅、亜鉛、マンガン、リンといった重要な微量ミネラルが豊富に含まれる。

ベサン粉1カップ(92g)で、1日の推奨量の銅とその半分近くの亜鉛を摂取することができる。これらのミネラルは、免疫細胞の成長と機能に不可欠なものだ。

マヤ氏「ひよこ豆は食物繊維が宝庫で、心臓病や肥満、糖尿病のリスクを軽減してくれます。グルテンフリーで、ホルモンバランスや神経系の健康に優れたビタミンB6を豊富に含んでいます。細かく粉砕されているので、ベーキングにはかなり適しています。私はスペルト小麦のような他の小麦粉と混ぜて使いますが、フラットブレッドには適しています」

日本でもベサン粉はそこそこ安価で手に入る。

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チョコレート代替として使えるイナゴマメ


イナゴマメは、自然の甘みを持つイナゴマメの木の鞘から作られる。食物繊維が豊富で、チョコレートとは異なり、カフェインや頭痛を引き起こす物質を含んでいない。

カルシウムはココアの2倍、グルテンフリーで、皮膚や目の健康に良いビタミンAとB、マンガン、カリウム、マグネシウム、セレンなどの重要なミネラル、さらに免疫システムに欠かせない亜鉛と銅も豊富に含まれている。

更にイナゴマメに含まれる食物繊維と強力なポリフェノールのおかげで、コレステロール値を下げる効果があるという研究結果も出ている。

マヤ氏「イナゴマメは、チョコレートのように血糖値を急上昇させることがないので、糖尿病用のチョコレートによく含まれています。研究によると、イナゴマメは空腹ホルモンであるグレリンの生成を減少させるので、ダイエットに役立つ可能性があります。また、消化器系をきれいにし、腸内細菌を養う不溶性食物繊維であるタンニンも豊富に含まれています」

イナゴマメを使ったチョコレート代替は日本でも手に入るが、貴重ゆえにやや高価なものとなっている。

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海藻で長生き


日本人は他のどの国よりも多くの海藻を食べており、平均で1日に約5g食べている。日本人は世界で最も健康で長生きしていると言われているが、これ偶然では無い。

100件の研究結果から、海藻が血圧やコレステロールを下げ、心臓の健康を増進することが証明されている。

種によって栄養成分は微妙に異なる。例えば味噌汁に使われる昆布にはヨウ素が最も多く含まれ、海苔にはビタミンB12が多く含まれる。しかし、いずれもタンパク質と繊維質を多く含み、カロリーと脂肪は低い。

海藻類には、ビタミンやミネラルが豊富に含まれている。ビタミンA、C、E、K、ミネラル、カルシウム、オメガ3脂肪酸、そして脳に良いとされるヨウ素も含まれている。

また、繊維質が多く含まれているため、腸内細菌の餌となるので、免疫力や消化力を大幅に向上させる。イギリスの高級スーパー、Waitroseでも海藻の売り上げが2018年以降70%以上増加してるなど、海藻へ強い関心が見て取れる。

マヤ氏「海藻は、私たちの食生活に新たに加わった食材ではありません。不溶性食物繊維が非常に豊富で、腸内環境の改善に効果があります。一日にほんの一握りで十分です。サラダや炒め物、麺類などに塩の代わりにふりかけて、豊かなうま味を出したり、スープに海苔を加えたりするとよいでしょう」

海藻は日本に住んでいれば当たり前のように食べているだろう。食べやすい加工品も多く見つかる。

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パンノキ(パンの実)で栄養補給


パンノキは、クワ科の巨大な緑色の果物だ。美しいとは言えないかもしれないが、タンパク質と食物繊維が豊富に含まれている。

また、グルテンフリーで、カリウム、鉄、カルシウムなどのミネラルや植物性栄養素が豊富に含まれており、強力な抗酸化物質であるビタミンCも多く含まれている。

成人は1日に40mgのビタミンCが必要とする。ビタミンCは、免疫系の白血球の生成を促進し、白血球をダメージから守ることで、病気に対する体の自然な防御力を高めるのに不可欠だ。

マヤ氏「パンノキに含まれるビタミンCは、ジャガイモと同程度です(220gで1日のビタミンCの100%を摂取できます)。しかし、食物繊維(100gあたり4.9g、ジャガイモは2g)、タンパク質、免疫力を高める抗酸化物質などの微量栄養素はパンの方がはるかに多く含まれている事に注意してください。私たちの多くは、腸内細菌の多様性と健康を維持するために必要な繊維質(1日30g)を十分に摂取していません。パンノキに含まれるミネラルは、血圧や心臓の機能を調整するのに役立ちます」

パンノキを日本で手軽に取るのは今は難しいかもしれない。木としては売られているようだ。

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ビタミン注射的な効果を期待できるアセロラ


アセロラは日本では馴染みの深い食べ物だろう。ビタミンCが非常に豊富に含まれており、Journal Of Food Science and Technology誌では「未開発の機能性スーパーフルーツ」と評された。

アセロラには、ビタミンC以外に、ニンジンと同量のビタミンA、ビタミンB群、マグネシウム、カリウム、銅、亜鉛、鉄が含まれている。更にアントシアニンなどの病気と闘う植物化学物質が非常に多く含まれる。

アントシアニン(Wikipedia)は、多くの食物に含まれるが、中でもブルーベリーが有名だろう。炎症を抑え、アルツハイマー病や関節炎など、炎症や老化に関連する慢性疾患のリスクを軽減してくれる。

マヤ氏「ビタミンCは、コラーゲンの生成に最も重要な栄養素であり、セルライトの見た目を改善したり、関節の健康維持に貢献してくれます。ビタミンCは液体の状態では非常に不安定なので、アセロラを効果的に取るならドリンクよりも粉末の方が有用でしょう。」

前述通りアセロラは日本でも馴染みが深い。粉末のアセロラも手軽に手に入れる事が出来る。

スーパーフードは正しく取り入れよう。

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重要なのは「偏らない」事

スーパーフードは万能薬ではない。栄養価が優れ、デメリットが少ない食べ物に過ぎない。

栄養はバランスが最も大事だ。偏ってしまうと逆効果となる。それはスーパーフードでも同様だ。

栄養バランスの整った食事の中にスーパーフードを取り入れる。こうして初めて「スーパーフード」が成り立つと言えるだろう。

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参考文献

医療・健康
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Amet

旅行が趣味の団塊ジュニア世代。旅先で歴史を学んだり遺跡を見学したりその土地の食べ物を楽しむ事をライフワークにしています。本業はテクノロジー/マーケティング関係で情報収集と分析が専門です。

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