マイクロプラスチックにおける環境汚染は多くの場合、海洋や河川が問題として上がる事が多い。
実際、最も深刻で大きな影響を受けているのは海洋だろう。ゴミは基本的に海に捨てられるので当然だ。
マイクロプラスチックが厄介なのはその細かさにある。目に見えず、回収できず、軽量で自然に無くなる事が無い。生物の口に入り、結果的にその生物を食す我々人間の身体にも入る。
マイクロプラスチックとは
マイクロプラスチックについておさらいしよう。マイクロプラスチックとは名前の通り微小なプラスチックの事だ。定義としては直径5mm未満のプラスチック粒子または、プラスチック断片という事になっている。
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定義上は5mmだが、実際は更に小さなプラスチック片となっており、この細かさが問題を大きくさせている。
全世界で年間に製造されるプラスチック製品は約4億トンだ。用途の大半は、容器や包装などいわゆる「使い捨て」の製品が対象だ。つまり最低でも2億トンのプラスチックごみが生じる。
マイクロプラスチックの怖いところは「見た目は汚染されていない」点だ。人は目で見ないものは信じされにくい程度に、視覚に意思の決定を大きく委ねている。
リサイクルもままならない状態
もはや世界中でプラスチックは流通しており今までも、今この瞬間もマイクロプラスチックは増え続けている。
更に良くない事にリサイクルも現状うまくいっているとは言い難い。例えば日本はリサイクル率80%以上を謳っているが、半分以上はサーマルリサイクル(焼却して熱エネルギーにする、というリサイクル)だ。
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欧州ではリサイクル率にサーマルリサイクは含まれないため、実質は30%に満たない。また、焼却率が上がれば今度は気候変動に拍車がかかるだろう。サーマルリサイクルを環境上においてポジティブなものと捉えるのは聊か疑問だ。
マイクロプラスチックがとうとう手つかずの高山で検出されるように
悪いニュースは続く。問題だらけのマイクロプラスチックが、今度は信じられない事に2800メートルもの高山で検出されたのだという。
フランスのピレネー山脈を連ねる標高2877メートルのピク・デュ・ミディ(Wikipedia)周辺の大気中にマイクロプラスチックが検出されたとCNRS、グルノーブル・アルプ大学、ストラスクライド大学(スコットランド)の国際研究チームが発表した。
ピク・デュ・ミディ天文台に設置されたポンプで毎週取り込まれている1万㎥の空気の成分を分析した結果、マイクロプラスチックの濃度は4㎥あたり約1個であった。
この研究結果は「Nature Communications」誌に掲載されている。
驚くべきこと
この事が直接生態系などに悪影響を及ぼす、といったものではないが、汚染源から遠く離れた場所に一定の濃度で存在するというのは非常に驚くべき事だ。
科学者たちが使用した空気塊の軌道の数学モデルは、粒子がアフリカ、北米、または大西洋に由来することを示しており、マイクロプラスチックの大陸間における大気輸送を示すものである。
当然、この標高より低い場所は更に高い濃度を示す可能性も否めない。海洋の汚染が目立つが、森林や高原などの陸地でさえも汚染が進んでいる事は留意すべき点だろう。
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マイクロプラスチックと向き合うために、基本の事から学んでおこう。