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2021年の電子廃棄物の総量が万里の長城よりも多いことが判明

2021年の電子機器の廃棄物の総量が万里の長城の質量を上回る。

科学やITの発展と共に我々人類の生活の質は著しく向上し、今もなお続いている。例えばご存知の通り、移動通信規格も第5世代(5G)の時代を迎えたように通信技術が大きく発展している。

技術の進歩に伴い、需要も増し、電子機器も便利なものが増え、安価で一般の者でも手軽に手に入るようになった。

例えば電子機器の代表格ともいえるスマホは先進国に限らず世界中の多くの者が所有している。スマホだけではない。様々な電子機器が日々開発され、消費されているのだ。

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WEEE指令とは


WEEE指令という言葉を知っているだろうか。2003年2月に欧州連合(EU)より公布・施行された指令で、Waste Electrical and Electronic Equipment Directiveの頭文字をとった略称だ。

WEEE指令 - Wikipedia

WEEEは日本語では「電気電子廃棄物」を意味する。WEEEはEUでは埋立処分されていたが、有害化学物質が漏洩して、土壌や地下水や空気を汚染(環境汚染)すると同時に、埋立処分地が不足するようになった。

そのため廃電子電気製品に対してWEEE指令を施行し、廃電子電気製品の分別収集、全ての液体と有害化学物質を廃製品から取り除き除去し環境汚染を防止、リサイクルにより再資源化を行い廃製品量を削減するための規則がWEEE指令だ。

このように、科学の発展と共に安価で手軽に手に入るようになった電子機器は消費サイクルが加速した。つまり、捨てる頻度も急速に増す事になる。EUに限らず世界は今、電子機器廃棄量の異常増加問題に直面している。

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2021年のWEEEはどれくらいの量になるのか


WEEEフォーラムの報告によると、2021年のWEEEは合計で推定5,740万トンとなり、これは、地球で最も重い人工物である万里の長城の重量を上回る。

2014年から2020年にかけて、WEEEは21%近く増加し、毎年3%から4%の割合で増加している。廃棄物の発生率は過去2年間でほぼ2倍になり、2030年までに7,400万トンに達すると予測されている。

この問題は、電子機器の消費率の上昇(毎年3%増加)、製品のライフサイクルの短縮(すぐに故障する、安価ゆえに買い替える等)、修理の選択肢が限られていること(=修理せずに廃棄する)に起因している。

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環境問題であり経済問題でもある

特に携帯電話の廃棄は問題になっている。(出典:Wikipedia


毎年多くの電子機器が廃棄され、そのほとんどがリサイクルされていない。2019年の報告書によると、世界のWEEEの物質的な価値は625億$で、ほとんどの国のGDPを上回るとされており、環境問題だけでなく経済問題にもなっている。

例えばWEEE指令などが早々に出ているEUは最もよく研​​究されており、情報も多い。その欧州のWEEEフォーラムの推計によると、一般家庭にある電子機器の1/7が使われていないか壊れている。

また、4〜5kgの未使用の電子機器をため込んでいると言われている。因みに、フランスでは5,400万台から1億1,300万台の携帯電話が倉庫で埃をかぶっているという調査結果がある。

米国では、多くの携帯電話がリサイクルされている一方で、年間1億5100万台以上(1日約41万6千台)の携帯電話が廃棄され、焼却または埋め立てられていると考えられている。

米国の埋め立て地にある重金属の40%は、廃棄された電子機器に由来すると言われているほど多い。壊れやすい、安価、修理しにくいという3つの条件が「捨てる選択」を余儀なくされている。

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鍵はリサイクル

この問題の解決のカギを握るのはリサイクルだ。電子機器廃棄物のリサイクル率に関してWEEEフォーラムが行なった調査(上動画参照)では、人々は40~50%がリサイクルされていると思っている。

だが、実際に2019年に適切に処理され、リサイクルされたのは17.4%に過ぎない。リサイクルの方法が限られている、というわけではない。なぜこうも低いのだろうか。

携帯電話、タブレット、パソコンなどの小型情報技術製品の場合、データの安全性、製品価値、適切なリサイクルの不確実性など、多くの要因がリサイクルを阻害していると考えられる。

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「都市鉱山」の可能性

電子機器リサイクル精度の向上がカギを握る。(出典:Wikipedia


だが、これらの電子廃棄物は適切なリサイクルを行えば大きなビジネスの可能性を秘めている。これは「都市鉱山」と呼ばれており、

例えば東京で行われたオリンピックの金メダルは携帯電話等の廃棄物をリサイクルして作られている。

東京五輪、金メダルは「都市鉱山」から 廃スマホ活用|オリパラ|NIKKEI STYLE
2020年の東京五輪・パラリンピックのメダルを廃棄されたスマートフォン(スマホ)や携帯電話などから作ろうとする試みが始まっている。天然資源に恵まれていない日本だが、都市には様々な資源が眠る。貴金属を使った部品が内蔵されているスマホはその代表格。

例えば100万台の携帯電話には、24kgの金、16,000kgの銅、350kgの銀、14kgのパラジウムが埋め込まれており、これらは回収して生産サイクルに戻すことができる資源だ。

逆に言えば、これらがリサイクルされなければ新たな資源を採掘する必要があり、環境に悪影響を及ぼす。都市鉱山のリサイクルはビジネスチャンスだけでなく環境改善にも直結するのだ。

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日本がリードする事は可能


リサイクル率を向上させるには、消費者を含むすべての関係者がリサイクルに関与する必要がある。学校等での講義や政府等のキャンペーンなど、国が率先して消費者をリサイクルへ促す事が求められるだろう。

日本には国連のグローバル電子廃棄物統計パートナーシップのレポートによると、日本は256.9万トンの電子廃棄物が発生し、57万トンがリサイクルされており、一人あたり平均20kgの電子廃棄物を出していて、廃棄量は中国に次いでアジアで2位と報告された。(PDF、109頁)

電子機器のリサイクル時には有害物質が出るため、この問題を解決するのは簡単ではないが、秋葉原など電子機器専門街などもあって消費者にリーチしやすい環境があり、「もったいない」の精神が多くの国民に宿っており、人口も多く、電子機器の流通も多い日本が世界をリードする事は十分可能だろう。

都市鉱山について学んでみよう。

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参考文献

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Amet

旅行が趣味の団塊ジュニア世代。旅先で歴史を学んだり遺跡を見学したりその土地の食べ物を楽しむ事をライフワークにしています。本業はテクノロジー/マーケティング関係で情報収集と分析が専門です。

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