宇宙
矮小銀河の獅子座1銀河から巨大なブラックホールを確認。

小さな矮小銀河の中に巨大なブラックホールを発見。現代の科学では説明つかない現象で科学者混乱。

宇宙は謎が多い。最近は科学の飛躍的な発展により多くの事が判明してきたが、それでもまだまだ分からない点が多い。

例えばダークマター(暗黒物質)もその一つだ。銀河の回転速度は、観測できる物質の総質量から計算された速度よりも速い為、通常なら遠心力によって飛ばされているはずだが、そうなっていない。この説明付かない現象をダークマターが起こしているのではないか、という説だ。

ダークマターの存在が無ければ説明はつかない。だが、ダークマターは科学的に検出できていない。ダークマターは存在してるはずなのに存在を証明できない物質だ。

このように、実際自分の目で見て現象を確認しているが、科学的に説明のつかない現象が、特に宇宙には多い。そしてまた、新たな「宇宙における説明できない現象」が確認された。

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小さな銀河の中心に巨大なブラックホールを確認

矮小銀河である獅子座1銀河から有る筈の無い巨大なブラックホールを確認。(出典:ESA / Gaia / DPAC; SDSS via livescience)

テキサス大学オースティン校の天文学博士のマリア・ホセ・ブスタマンテ氏が率いる研究チームは、天の川銀河の外側を回っている矮小銀河の中心に、大きな天の川銀河に匹敵する巨大なブラックホールがあるのを発見した。

その矮小銀河はしし座I型矮小銀河(Wikipedia)だ。この銀河は地球から約82万光年離れた場所にある。大きさは2,000光年と銀河としては小さなサイズだ。

この銀河の質量は今まで太陽の約1,500万〜3,000万倍、数にして太陽1.5兆個ほどと推定されており、幅が10万光年以上もある天の川銀河に比べれば非常に小さな銀河だ。

この小さな銀河の中に天の川銀河の中心にある巨大ブラックホールとほぼ同じ大きさのブラックホールが存在することが、新しい研究で明らかになった。

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説明付かないサイズ

獅子座1銀河(出典:Wikipedia


多くの天文学者は巨大ブラックホールは銀河同士の衝突で成長し、銀河の大きさと一致するはず、と考えていた。矮小銀河に巨大ブラックホールが存在する理由は説明がつかず、今回の予想を裏切る発見には動揺を隠せないでいる。

観測はされたものの、これは予測されて観測されたものではなくあくまで偶然の産物だ。研究者たちは当初、ハーラン望遠鏡に搭載された「ウイルス-W」という装置を使って、しし座1番星の暗黒物質の量を測定しようとしていた。

ウイルス-Wは、天の川周辺の矮小銀河にある星の動きを測定し、その動きから銀河内の暗黒物質の量を推測する装置だ。星の軌道に暗黒物質が多ければ多いほど、星の移動速度は速くなる、など星の軌道や速度に与える影響か暗黒物質の濃度を推測測定する予定だった。

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調査の結果、巨大ブラックホールの発見に

天の川銀河の大質量ブラックホールとさほど変わらない質量は説明できない現実だ。(出典:Wikipedia


今回の観測で得られたデータを解析したところ、しし座1番星には基本的に暗黒物質はなく、代わりに太陽300万個分の重さのブラックホールが中心に存在することがわかった。天の川銀河の中心にある「射手座A*」のブラックホールは、それよりも25%ほど大きいだけだ。この獅子座1のブラックホールがいかに大きいかよくわかる。

今回の結果は、これまでの獅子座1銀河の暗黒物質に関する計算結果とは異なることを天文学者たちは認めている。以前の研究では、精度の低いデータに基づいており、強力なスーパーコンピュータを利用できなかったからだという。

これまでは個々の星の情報にフォーカスすることが一般的だった。しかし、これらのデータセットには、遅い星が偏って含まれていたようだ。

このような偏ったデータセットに基づいて計算すると、内側の暗黒物質を明らかにすることができない。しし座1番星の場合、これまで見えていなかった中心部の暗黒物質の量が、周辺部の暗黒物質の量よりもはるかに多いことがわかった。

今後の研究も個々の星だけではなく広域にわたる観察の元でデータを取る必要があるだろう。

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参考文献

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Amet

旅行が趣味の団塊ジュニア世代。旅先で歴史を学んだり遺跡を見学したりその土地の食べ物を楽しむ事をライフワークにしています。本業はテクノロジー/マーケティング関係で情報収集と分析が専門です。

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