およそ400年ほど前に描かれたとされるイタリア・バロック様式の絵画が偶然発見された。
ニューヨーク州ウェストチェスターに住む美術史のルジオ教授が、地元の教会に偶然入り、この絵を見て「二度見」したのだそう。
ルジオ教授が初めてこの教会を訪れて絵画を発見したのは丁度コロナ禍でロックダウンが始まった1年以上前の事だ。
チェーザレ・ダンディーニの作品であることが判明
発見者であるアイオナ大学のトム・ルジオ教授は、聖家族教会でこの作品を初めて見て「すぐにイタリアのバロック様式の絵だとわかった」と述べている。
彼はイタリアとニューヨークの美術史の専門家仲間と情報を共有、整理するために、スマホで写真を撮ったのだそう。
後に17世紀に描かれたチェーザレ・ダンディーニ(Wikipedia:英)の作品であることが判明、アイオナ大学のライアン図書館に3ヶ月間貸し出されている。
絵は同じダンディーニの作品である「チャリティー」と非常によく似ている。
失われた「聖家族と幼い聖ヨハネ」
この作品は1630年代にダンディーニによって制作された「聖家族と幼い聖ヨハネ」として既に知られていたが、行方不明と思われていた。
メトロポリタン美術館は、ダンディーニの作品を所蔵しており、今回の作品の鑑定にも協力、今回の調査では、ダンディーニの真作であることが証明された。
ダンディーニの作品の価値として例えば2000年にロンドンのサザビーズで落札された「トビアスと天使」が75万3千$(およそ8200万円)で落札されている。
絵画のあった教会では
絵画の見つかった聖家族教会のモンシニョール、デニス・キーン氏は教会の元牧師であるモンシニョール・フィッツジェラルド氏による絵画の購入であると証言している。
ローマのギャラリーで行われた販売会で購入したそうだ。絵は1962年頃にローマのギャラリーに飾られたと考えているそうだが、何かの理由があって売りに出された為、今まで行方不明になっていた。
「聖家族と幼い聖ヨハネ」の一般公開はまだ未定だが展示会の準備は進められているそうだ。