800年ぶりに噴火した事で話題になったアイスランドのレイキャネス半島、ファグラダルスフィヤル火山は、2021年3月19日夜に噴火し、9月現在の6か月間、今もなお、続けて噴火し続けている。
アイスランドの火山が800年ぶりに噴火、そのとき何が?
3月19日にアイスランド南西部のファグラダルスフィヤル火山が噴火したとき、火山学者たちはその場に居合わせていた。噴火に至るまで15カ月もの間、周辺地域では地震が急増し、警戒を強めていた。
この噴火はいったいいつまで続くのか、未だに勢いが衰える兆候はなく、場合によっては100年続く可能性もあるという。
過去50年で最長の噴火
この6か月間という長さはアイスランド国内で過去50年で最長の噴火になるという。
最近の記録の2014年8月末から2015年2月末まで続いた、島中央東側にあるホルフラウンでの噴火よりも既に長い。
尚、50年以上前では南岸のスルツィー島で起こった、1963年11月から1967年6月までの約4年間続いた噴火が記録されている。
観光地化される
この噴火は、溶岩がゆっくりと流れ出るだけのものや間欠泉のように岩や石が噴き出すものまであり、コロナ禍で苦しい立場にある中で大きな観光資源となっており、既に30万人の観光客が訪れている。
この噴火により噴出した溶岩で形成された地帯は「溶岩の美しい谷」と名付けられ、今後も重要な観光資源となる可能性がある。
これまでに噴出した溶岩の量は約1億4300万㎥。これはアイスランドで過去230年で最大の溶岩流を噴出したホルフラウン噴火の10分の1以下となっており、今の段階では比較的小規模なものとなっているものの、このまま続けば超える可能性もある。
終わりが見えず
アイスランドの火山でよく見られるのは、活発に活動を開始し、後に時間とともに溶岩の流出量が減少して最終的に停止するというものだ。
地球科学研究所の地球物理学者であるハルドル・ガイルソン氏は、「今回の噴火は、比較的安定した流出を維持している」と述べている。
今回の火山も9日ほど沈静化したものの、また噴火を再開した。まだ十分なマグマが残っているようで、今の段階では終わりが見えないと言う。