人にとって睡眠をとる事は命に関わる、とても重要な行動だ。食べる、飲む、呼吸する、といった行動と重要度は変わらないと考えていい。
人に限らず、基本的に睡眠を全くとらない動物は今のところ確認されていない。無脊椎動物であるハエも睡眠をとるし、脳を持たないクラゲでさえ睡眠をとる事が実験で示されている。
睡眠をとるのは地球で生きる上で、ほぼ必須だと言えるだろう。では、果たして我々人類にとってどれほどの睡眠時間が必要、或いは適切なのだろうか。
睡眠時間や方法
例えばイルカやアシカ、マナティーなどは単半球睡眠という睡眠法を使う。片目をつぶり、脳の半分だけ睡眠をとる、といったものだ。この方法により、睡眠と同時に呼吸、体温調節、警戒を可能とした。自然界で生きていく上で身に着けたものだろう。
また、シマウマなどは立ちながら寝る事が知られている。座る事が出来ないわけではない。食事を十分にとったシマウマは座って休憩をする。しかしシマウマが生息している場では基本的に肉食動物の捕食対象だ。時には強い警戒心を持つ場合もある。そんな時は立って寝る事がある。これは目が覚めてすぐに走って逃げられるようにしていると考えられている。
このように、それぞれの種はそれぞれの環境に応じた睡眠時間や睡眠方法を取っている。しかし、無防備になるにも関わらず、やはり寝るのだ。これも生きる上で睡眠が必要である事を裏付けている。
人の睡眠時間はどれくらい必要?
さて、本題の人の睡眠時間だ。その事を伝える前に、睡眠時に体に何が起こっているかを知る必要がある。
見た目はオン・オフの状態だが脳は違う。コンピューターでもスリープ状態は電源が付いている状態で、人も同様に、完全なオフ状態ではない。
むしろ睡眠時は脳は活発だ。睡眠時に脳は記憶を処理し、創造的な洞察を得て、新しいスキルを学ぶ。睡眠は人の成長と繁栄に大きく貢献している。
つまり、年齢が若ければ若いほど、睡眠時間を多く必要とするわけだ。例えば生後3か月間ほどなら1日あたり14〜17時間眠る。学齢期の子供なら約8~10時間の睡眠が必要だ。通常の大人なら7~8時間が適切と言われている。
以下の表はAbhinav Singh医学博士が報告した各年齢に必要な睡眠時間だ。
年齢 | 必要な睡眠時間 |
---|---|
生後0〜3ヶ月 | 14〜17時間 |
生後4〜11ヶ月 | 12〜15時間 |
1〜2歳 | 11〜14時間 |
3〜5歳 | 10〜13時間 |
6〜13歳 | 9〜11時間 |
14〜17歳 | 8〜10時間 |
18〜64歳 | 7〜9時間 |
65歳以上 | 7〜8時間 |
勿論、ただ寝るだけでなく、より質の高い睡眠である事が理想だ。十分で質の高い睡眠は人の成長や繁栄をサポートし、本来の性能や技術、能力を発揮し、更に記憶力や発想力も向上させる。
質の高い睡眠を取るには
質の高い睡眠を取るにはどうすればいいのか。
特に重要なのは就寝の1時間はワインドダウンルーチンを使用して、リラックスする事に集中する事だと睡眠の専門家であるSusheelPatil博士は述べている。
照明を暗くし、好きな本を読んだり、1日の中で楽しかった事を話し合ったりする。体にあった寝具を選ぶのも良いだろう。逆に、脳にストレスを与える行動、例えば怖い映画や本、就寝直前の議論などアドレナリンが分泌されるような行動は避けるべきだ。
これはルーティンとして日々繰り返す事でより質の高い睡眠を定期的に取れるようになる。
質の高い睡眠を適切な睡眠時間取る事で、あなたは今よりも更に成長する事が出来るだろう。