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西オーストラリアで1000本以上の足を持つ新種のヤスデが見つかった。

【閲覧注意】1000本以上の足を持つ世界で最も足の数が多い新種のヤスデがついに見つかる。

害獣と呼ばれる動物がいるように、虫にも害虫と呼ばれ、一般世間から忌み嫌われる種の虫がいる。

主に人間社会に害をなす生物がそう呼ばれるが、虫に関しては見た目で嫌煙される種も少なくない。

害虫には衛生害虫(噛む、刺す、病原体を媒介する等)、経済害虫(農作物を荒らす、家畜に害をなす、家財に害をなす等)、不快害虫(見た目に嫌悪感、心理的に悍ましい等)がある。

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ムカデとヤスデ


害虫の1つとして数えられる虫にヤスデとムカデがいる。どちらも足の多い多足類だが、性質は異なる。

ムカデは肉食で毒を持ち、人を噛む事もある衛生害虫、ヤスデはいわゆる不快害虫で腐植食性であり基本的に噛む事は無く、むしろ落葉分解に寄与し土壌形成上一定の役割を果たしている等、自然界では重要な役割を担っている存在だ。

ムカデは日本では百足と書くが欧米ではヤスデが千足(thousand-legger)と称される。実際、百本の足を持つムカデはいないし、ヤスデも千本もの足を持つ種はいなかった。過去最高でも多くて750本ほどであった。

だが、この度ついに1000本の足を持っている新種のヤスデが確認された。

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1300本の足を持つ新種のヤスデ

1300本の足を持つ新種のヤスデ(出典:Scientific Reports.)


オーストラリアで1306本の脚を持つ「thousand-legger」の名にふさわしい真のヤスデを初めて確認した。これまで100年の間、ずっと750本が最高記録だった。

西オーストラリアのベネロンギア環境コンサルタントの主任生物学者でありバージニア工科大学の昆虫学者でもあるブルーノ・ブザット氏が西オーストラリアの鉱物探索の採掘場で掘られたボーリング穴の中から、偶然にも発見。

地表から約60メートルの深さであり、この新種は最も深く生息するヤスデとなった。ギリシャ神話の冥界の女王ペルセポネにちなんでEumillipes persephoneと名づけられた。

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手作業で本数を確認

電子顕微鏡で見たEumillipes persephoneの足。(出典:Scientific Reports via zmescience


ブザット氏はこれまで60種以上を発見してきた世界有数のヤスデの専門家であるポール・マレク氏のもとに標本を送った。マレク氏の研究室で電子顕微鏡やDNAの塩基配列の決定など、入念な検査が行われた。

メスの脚は過去最高の1306本、オスは998本だった。オスは残念ながら1000本に届かなかったが、いずれ見つかるかもしれない。足の本数はコンピューターを使用せず、すべて手作業で一つずつ数えていったという。

体長は10cmほど、USBケーブルほどの細さで、地中深くで生息しているせいか、目や色素が無い。目はともかく、色素を持たないのはヤスデ類では非常に珍しいのだという。

長年の地中での進化が超長脚と短脚を育み、土中に効率的に潜るのに必要だったとマレク氏は考えている。深い地中では栄養分が乏しいため、短い脚を多く持つことで推進力が増す。地中で少ないエネルギーで移動することは、彼らの生存戦略として非常に重要なことなのだ。

奥深い昆虫の世界を覗いてみよう。

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参考文献

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Amet

旅行が趣味の団塊ジュニア世代。旅先で歴史を学んだり遺跡を見学したりその土地の食べ物を楽しむ事をライフワークにしています。本業はテクノロジー/マーケティング関係で情報収集と分析が専門です。

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