地球上は生命で満ち溢れている。非常に多様的で様々なエリアに様々な種族の生物が生息し、それぞれの環境に適応して種を繁栄させている。
繁栄の方法も実に多様的だ。個体が強くなり、食物連鎖の頂点に君臨する種もあれば、個体それぞれは捕食される脆弱体だが多くの子を産み、群れて暮らす種など様々だ。
中には非常に貴重な生物もいる。繁栄に失敗、或いは人の手で絶滅危機に瀕し、個体数が少ない種もあれば、もともと少なく目撃情報が異常に少ないレアな種もいる。
特に人がアクセスしにくい深海に暮らす生物は貴重なものが多い。例えば最近、貴重な動画撮影に成功したミズヒキイカなどもその一つだ。
そんなレアな生物の動画撮影にモントレーベイ水族館研究所(MBARI)の研究チームが成功した。
ダイオウクラゲ(スティギオメデューサ・ギガンティア)を深海で確認
モントレー湾水族館研究所(MBARI)の研究チームは、太平洋の水深3200フィート(約975m)の海底でROVを使ってデータを収集・探索している最中に、「幻の巨大クラゲ」と呼ばれるダイオウクラゲに遭遇した。
ダイオウクラゲは学名をスティギオメデューサ・ギガンティアといい、スティギオメデューサ属で唯一の種だ。今回は貴重な動画撮影に成功した。
非常に目撃情報が少なく、MBARIのROVが記録した何千回もの深海潜水の中で、ダイオウクラゲを発見したのはわずか9回だった。
目撃回数は120年で110回
ダイオウクラゲの発見は1899年だ。それから120年たった現在でも目撃情報は110回程度と非常に少ない極めて貴重な種であり、その生態は勿論、個体数すら定かでない。
今までの記録では水深およそ1000m~4000mあたりで生息しており、北極海を除く各地で目撃されている。日本でも目撃された過去がある。
【動画のご紹介】「深海映像・画像アーカイブス(J-EDI)」でピックアップした今回のスタッフのお気に入りは、「平たく長い腕を持つダイオウクラゲ」の映像です。この映像の説明や次回の予定はこちらから。 https://t.co/UCVga7Xpx8 #JAMSTEC pic.twitter.com/XUVKpHT1FI
— JAMSTEC 海洋研究開発機構 \海と地球の研究所/ (@JAMSTEC_PR) March 6, 2019
大きいものだと傘の直径1m、全長6m、最大10mとも言われ、ダイオウイカに迫るサイズで名に恥じぬ非常に大きい体格をしている。
4本の長い触手を持っているが、針は退化しているのか毒も無く刺す事も出来ないと見られている。長い触手で獲物を巻き付けて捕食していると推測されている。