医療・健康
細胞の老化を抑制する新たな酵素複合体を発見。

細胞の老化を止める新しい酵素複合体を発見。新たな癌治療への道が開くか。

病気は心身の健康を害し、時に命をも奪う怖いものである、というのは世界共通の認識だろう。

特に非常に多様的で死亡率が高く、未だに確かな治療法が確立されていない「癌」は医学において解決すべき疾病の1つといえるだろう。

癌=死を連想するほどに、テレビドラマや映画等でもドラマティックな演出に使われるほどには一般的に「怖い病気」として認識されているのは知っての通りだ。

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癌は多様的


癌と言っても非常に多様的だ。臓器は勿論、皮膚や骨など人間の身体のありとあらゆるところに発生する。

原因不明のものもあるが、はっきりと解明されているものもあり、予防できるものもあれば予防できないものもある。

がんの発生要因:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ]
国立がん研究センターが運営する公式サイトです。

人間の体は細胞からできており、癌は普通の細胞から発生した異常な細胞のかたまりだ。正常な細胞は、体や周囲の状態に応じて、増殖したり、増殖を抑制したりして適切な対応をする。

例えば皮膚の細胞なら、けがをすれば増殖して傷口をふさぎ、治れば増殖を停止します。しかし、がん細胞は、体からの命令を無視して増殖し続けてしまう。結果、周囲の組織を破壊したりと、悪影響を及ぼす。

若い者ほど細胞は活発だ。故に、若いものほど増殖しやすく、早く死亡しやすい。治療薬の投与で細胞の増殖を抑えるが、他の細胞の増殖も抑えてしまうので頭髪が無くなるなどの弊害も起きるし、完全には止められない。

原因が分かっていても治せないし、予防法が分かっていても発生してしまう。非常に厄介な疾病だろう。

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細胞の老化を止める新しい酵素複合体を発見

新たに発見されたHTC(水素化物移動複合体)(出典:Molecular Cell


そんな中、モントリオール大学とマギル大学の研究チームが、老化した細胞が分裂を停止すると、代謝を再プログラムし、「細胞老化」を克服する新しい多酵素複合体を発見した。

HTC(水素化物移動複合体)と名付けられた酵素複合体が細胞の老化を抑制する事が分かった。この発見はMolecular Cellにて論文で発表されている。

HTCが特定のがん細胞に乗っ取られた際に、代謝を向上させたり、細胞を保護して低酸素環境に抵抗したり、増殖する等、細胞の老化を止める働きがある。

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HTCについて

HTCは3つの酵素で構成される。(出典:UdeMNouvelles


HTCは、ピルビン酸カルボキシラーゼ、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ1、リンゴ酸酵素1という3つの酵素から構成されている。

これらの酵素はいずれも、前立腺癌モデルマウスのサンプルや、前立腺癌患者の組織サンプルに高発現していた。

研究チームのフェルベイア氏は「最も興味深いのは、これらの酵素を阻害すると前立腺癌細胞の成長が止まったことで、HTCが前立腺癌を含むさまざまな癌の新たな治療法の開発の可能性が示された事です」と述べた。

研究者たちは、酵素複合体の高解像度構造を作成し、その機能を調節できる薬剤を設計することを目指している。

男性の癌の原因の殆どは喫煙、女性は感染。男性は禁煙で予防可能だ。

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参考文献

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Amet

旅行が趣味の団塊ジュニア世代。旅先で歴史を学んだり遺跡を見学したりその土地の食べ物を楽しむ事をライフワークにしています。本業はテクノロジー/マーケティング関係で情報収集と分析が専門です。

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