動物
マンモスが現代に蘇らせるプロジェクトが進行中

マンモスを現代に復活させるプロジェクトが進行中。少なくとも6年以内を目指し、資金も調達済み。

氷河期時代に絶滅したとされているマンモス。直接的な祖先では無いものの、現代でも人気のある動物のゾウに似た姿というのもあって世間では親しまれている印象だ。

そんなマンモスだが、現在、驚くべきプロジェクトが進行している。それは「マンモス復活プロジェクト」だ。

その名の通り、現代にマンモスを復活させよう、というもので2027年までの6年以内を目指しているのだそう。映画「ジェラシックパーク」が現実味を帯びてきた。

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1,500万ドルを調達

colossal社のWebサイト


プロジェクトを進行しているハーバード大学の遺伝学者であるジョージ・チャーチ教授と提携企業であるcolossal社は本プロジェクトの為に既に1500万ドルを調達している。

以下はジョージチャーチ氏によるTEDでの「脱・絶滅プロジェクト」のスピーチだ。

このプロジェクトはアジアゾウをマンモスのように遺伝子再設計し、絶滅種を復活させるCRISPRテクノロジーを含む「脱・絶滅プロジェクト」で、これには気候変動を遅らせる、或いは止める目的も含まれており、賛同した投資家や企業が資金を提供した。

尚、投資家はマンモスの復活そのものよりも、復活技術そのものにビジネスを予感して投資していると思われる。

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どのように復活させるのか

アジアゾウとマンモスは遺伝子構造が似ているという


復活させる方法については少し触れたようにアジアゾウをマンモスのように遺伝子再設計する。これにはノーベル化学賞を受賞したCRISPR(Wikipedia:英)という技術が用いられる。

具体的には、永久凍土等で保存状態の良いマンモスから長い時間をかけて集めた牙や骨、歯、体毛の一部から抽出、このDNA配列をアジアゾウのゲノムに挿入して「ゾウとマンモスのハイブリッド」を作る、というものだ。

このハイブリッドなマンモスは、北極圏で生き延びるために暑い断熱脂肪層や長い体毛、寒さに耐えられる耳に加えて密猟者に狙われないよう牙が生えないようにする等の遺伝子組み換えが行われる予定だ。

Colossal社によると、アジアゾウとマンモスは99.6%一致するDNA構成を持っていることから、このプロジェクトの成功が期待されている。

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気候変動との関連性

マンモスが気候変動に変化をもたらす!?


このプロジェクトは前述通りマンモスを復活せる事だけが目的ではなく、気候変動を遅らせる、或いは止める事もゴールの一つに設定されている。

では、マンモスの復活が気候変動とどういう関係があるのか。Colossal社は、かつて北極圏を地球2周分も渡り歩いていたマンモス達を復活させることで、炭素を捕獲・貯蔵し、大気中のメタンを抑制することで気候変動対策に一役買っている北極圏に草原を復活させることができると考えている

永久凍土層が溶けてしまうと、強力な温室効果ガスである大量のメタンが大気中に放出されてしまう。マンモスや寒冷地に適応した象は、ツンドラを光を反射する草原に変え、地面をより冷たく保ち、メタンや炭素を閉じ込めてくれる多くの植物を作り出すのだという。

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もちろん、批判も

アジアゾウが犠牲になるのでは、という批判的意見もある


このプロジェクトにはお察しの通り賛否両論だ。懐疑論も当然あるし、そうでなくても批判的な意見も少なくない。

そもそもこれはマンモスのクローンではない。マンモスのDNAを抽出することには成功したが、断片化や劣化が激しかった為、クローンの作成は不可能だった。

そこで遺伝子構造が近いアジアゾウに白羽の矢が立ったわけだが、では対象となるアジアゾウはどうなる?という批判だ。哲学者のデビッド・デグラツィア氏は「象は賢く、自己認識的で感情的に複雑だ。彼らの最善の利益とはならない実験に彼らを巻き込むべきではないと思う」と述べ、動物の権利の問題として捉えている。

絶滅したマンモスを復活させるために絶滅危惧種であるアジアゾウを使うには、相当納得できる理由が求められる。

それに、たとえ遺伝子組み換えを行い、見た目マンモスの形の動物が生まれたとしても、結局中身はアジアゾウなのではないだろうか。何はともあれ、プロジェクトは16億円以上の資金を調達し、マンモス復活に向けて進行している。これに対し、人はどう向き合うべきか、まだまだ議論が必要だろう。

今まで絶滅した動物たちの事をおさらいしておこう

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参考文献

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Amet

旅行が趣味の団塊ジュニア世代。旅先で歴史を学んだり遺跡を見学したりその土地の食べ物を楽しむ事をライフワークにしています。本業はテクノロジー/マーケティング関係で情報収集と分析が専門です。

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