自然
深刻化する干ばつ。対策は?

世界的な干ばつが更に深刻化。海水の淡水化ははたして解決策になるのか。

昨今、世界的な干ばつが深刻化している。日本は世界でも水に恵まれた環境で、あまり実感がわかないかもしれない。

だが、自国が無事なら良い、というわけではない。多くの食料品を輸入に頼る日本だが、水が不足すれば作物が育たない。世界は勿論、日本でも食料不足に発展する。

水自体も食料も命に関わるものだ。必要になれば奪い合いになる。更に、森林など酸素を作る機関も水が減れば枯れていく。干ばつは世界の危機であり、自身の危機と取るべきだろう。

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続く山火事と洪水被害


ここ最近、多くの山火事被害或いは異常な高温になるニュースを目にしているのではないだろうか。

例えばアメリカやカナダなど北米地域では49度や54度を記録した。オーストラリアなどでは山火事により、ポルトガルの国土面積以上の面積が焼失している。

異常事態は北米やオセアニアに留まらず、ヨーロッパではイタリアで異常な高温による自然発火の山火事が多発、ギリシャでも過去30年で最大の熱波に襲われ、山火事にあっている

山火事はトルコでも起きている。放火の線もあるようだが、それ以前にトルコは連日40度、50度近くの気温となっており、山火事を深刻化させた。

洪水被害も多発

自体は山火事や高温だけではない。逆に大量の雨量による洪水が世界各国で見舞われた。

ドイツやベルギーでは記録的な豪雨により川が氾濫、洪水によって多くの命が失われた。

アメリカでも豪雨による洪水被害が起きた。アメリカは特に深刻で、2100年には毎日起こる可能性があると言われている。

更に中国でも洪水被害が起きている。中国では巨大インフラが国策となっており、ダムもその一部だが、その貯水機能を超える雨量に耐えられないでいる。

更に言えば中国のダムによってタイやラオスではメコン川の水量が激減、水不足が懸念されている。

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気候変動が起こす異常


気候変動により、乾季はより乾燥し、雨季はより湿潤になっている。ある場所で水不足に陥る一方で、別の場所で雨量が多すぎて被害に苛まされる。

温暖化によって気温が上昇すると地面や空気をより早く加熱する。蒸発量の増加に繋がり、結果的に土壌を乾燥させ、一部の地域で降水量が減少し、別の地域で降雨量が増加する。

気候変動によって地球の環境バランスは大きく崩れており、結果として異常気象を引き起こす。その気候変動を促すのが温室効果ガスだ。

水不足を解消する貯水池も気候変動で意味を成さなくなる。

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水不足で起こる事

水不足で何が起こるのだろうか。具体例の一部を挙げてみよう。

  1. 作物が育たず食糧不足になる
  2. 農家が廃業する
  3. 家畜が減る
  4. 畜産農家が廃業する
  5. 魚や貝が死ぬ
  6. 漁業が廃業する
  7. 森林が減り、酸素が減る
  8. 山火事が発生し、温暖化がさらに進む
  9. 野生動物が死に、生態系が崩れる
  10. 水の取り合いになり、土地の奪い合いや戦争に繋がる

これは妄想などではない。中東やアフリカの一部では水の確保が最優先の国策になっている国もあるし、前述したように既に国の間で水の取り合いで揉め事が起きている。

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の最新報告では気候の変動が干ばつを加速させると予測しており、国連は気候変動を抑制しなければ、2100年までにさらに130カ国が干ばつに見舞われる可能性があると警告している。

更に、世界自然保護基金によると、2025年には世界人口の3分の2が水不足に直面する可能性があり、その結果、紛争や政情不安、何百万人もの難民化を招く恐れがあると報告している。

温暖化は地球のサイクルで人類は無関係だ、単なるビジネスだ、などと揶揄している間にも温暖化は人類によってより加速され、結果として2021年現在のように世界で異常気象を起こしている。

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地球は水分で溢れた星ではないのか

地球に水は豊富だが・・


地球には多くの水分に溢れている。だが、そのうち人間に必要な淡水は3%しかない。残りは氷河であったり地下深くにあって通常はアクセスできない。

そのアクセスできない氷河や地中の淡水資源は、温暖化によって結局失われている。仮にアクセスできる技術が確立されても問題は解決しないだろう。

真っ先に考えるのは「海水の淡水化」だろう。既に各国は海水の淡水化、つまり脱塩技術を推し進めている。

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各国で進む脱塩技術


もともと淡水が作られるのは海水から塩やミネラルを取り除くプロセスがあるからだ。太陽が海を加熱するときに自然に発生している。

中東や北アフリカなどの乾燥地域では、古くから淡水を作るために海水淡水化技術が利用されてきた。

現在は120カ国以上の国が海水淡水化プラントを保有しており、サウジアラビアは他のどの国よりも海水淡水化による淡水の生産量が多い。

日本からは日立などが海水淡水化プラントに貢献している。

海水淡水化プラント | 日立造船株式会社
日立造船株式会社のコーポレートサイト、「海水淡水化プラント」のご紹介。本サイトでは事業紹介、Hitzの技術、企業情報、IR情報、サステナビリティなどについてご紹介しています。

しかし、現状では脱塩は問題を解決できるかは懐疑的だ。

淡水を作るのはとても大変

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脱塩の問題点

現状、溢れる海水を利用する脱塩が最も効果的に感じるだろう。地域によっては脱塩が唯一であり依存している。では脱塩の何が問題なのか。

答えはとても単純だ。海水淡水化はコストが高く、更に大量のエネルギーを消費する。つまり、環境にも悪影響を及ぼしてしまうのだ。

加熱式蒸留装置の場合は、水を沸騰させて蒸気にするためのエネルギーと、ポンプを動かすための電力が必要だ。

逆浸透膜では、熱を発生させるエネルギーは必要無いが、高圧ポンプを駆動させるため電気に依存する。

また、溶解度の低い塩や化学物質、微生物などによる膜のファウリングは、膜の透過性に影響を与え、生産性を低下させ、メンテナンスや運用コストを増大させてしまう。

大規模な海水淡水化施設は、建設費が非常に高く、更に運用する事でエネルギーも消費し、コストも嵩む。

塩分量が少なければコストやエネルギーの問題は多少解消されるため、海水ではなく地中の水分を利用する事も検討されているようだ。

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個人の努力は非常に大きい

節水から始めよう


このような水不足はどうすれば解決するのか。具体的な策はまだ無いと言っていい。

では、指をくわえて眺めているしかないかと言えばそれは違う。人類は数十億といる。この数が水不足の為に出来る努力をすれば状況はかなり変わるだろう。

1人1人は微力でも大勢なら大きな影響を起こす。1人から1円集めるだけでも60億円になると想像したら分かりやすいかもしれない。

Wai Water: The Water Projectは6大陸、10の学校間で行われている水問題解決に向かうプロジェクトで、水を節約する100の方法を公開している。

全てできなくてもいい、1つ1つ出来ることから始めてみてはいかがだろうか。私たちの身を守るために。

日本でも節水は国策の一つ。節水タンクを買うと補助金が出る自治体もある。

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参考文献

自然
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Amet

旅行が趣味の団塊ジュニア世代。旅先で歴史を学んだり遺跡を見学したりその土地の食べ物を楽しむ事をライフワークにしています。本業はテクノロジー/マーケティング関係で情報収集と分析が専門です。

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